象徴天皇制議論は不要か?上皇・上皇后陛下は「祈り」の8月へ

編集部 小田代理沙子

上皇・上皇后両陛下「祈り」の8月へ

平成から令和へと時代が変わった5月1日の歴史的な日から3カ月たち8月に入りました。6日広島、9日長崎の「原爆が落とされた日」、15日「終戦記念日」を控えます。

この3日に6月28日「沖縄戦記念日」を加えた4日間は、「祈りの日」として「ご黙祷」をささげられてこられた上皇・上皇后両陛下。

今年は皇居吹上御苑内にある御所からお祈りをささげられます。

象徴天皇制議論は盛り上がらず、皇室典範改正議論へ

「愛子天皇」をみすえた女性天皇への期待が高まっています。主要新聞各紙が行ったアンケート調査によると、「女性天皇に前向きな考え」を示す国民が8割に迫りました。

そうした中、秋から始まる皇室典範改正へ向けての議論を前に、「女系天皇・女性天皇は認めず男系を維持することを前提とする」と報じた読売新聞。ただ、この報道を菅官房長官が即否定しました。

政府が世論の反応を見極めるために、「読売新聞を使って様子見した」のではないかという憶測もありますが、そもそも、「象徴天皇制が必要なのか」という議論は全く盛り上がりません。

象徴天皇制への議論が活発化するきっかけがあるすれば、お代替わりのタイミングの4月がベストだったわけですが、テレビを中心としたメディアは、改元を「お祭り騒ぎ」で報じ続けました。

天皇崩御での改元ではないわけですから喪に服す必要はないとはいっても、歴史的な「改元の瞬間を楽しもう」に徹した日本の各地とそれを「明るく楽しく」報じ続けたテレビ。

象徴天皇制そのものの議論は不要というメッセージだったのでしょうか。

改元をお祭り騒ぎにした理由

ゴールデンウイークを10連休にしたことは物議をかもしました。特に、非正規雇用で働く人々の悲鳴も多かった、歴史的な「お代替わり大型連休」

テレビは完全にお祝いムードで「歴史的・特別な平成から令和への改元。このお代替わりの瞬間を、みんなで楽しみましょう」とNHKさえお祭り騒ぎにしました。

お代替わりのテレビの報道について、苦言を呈すメディアもありました。

ゴールデンウイーク改元祭りは、「5000億円を超える経済効果があった」という話もあります。消費税10%引き上げ前で参院選(衆院選もあるかもと言われていた)も迫っていたタイミングでの「改元お祭り騒ぎ」は、「象徴天皇制議論が不要」も含めて、計算された意図があったのかもしれません。

象徴天皇の「お祈り」に救われる国民

国民のことを思い続け、国民に寄り添ってこられた上皇上皇后両陛下。沖縄での戦没者慰霊を続けるお姿はまさに神々しく、「ひめゆりの塔での爆発騒ぎ事件」が起きた沖縄にも通われ続け、祈り続けた上皇・上皇后両陛下。また、東日本大震災など、全国を周り被災地で悲しみにくれる被災者を励まし続けてこられました。

「お祈り」により国民を救い続けた上皇・上皇后の両陛下。そして、「国民に寄り添い、祈る」というご意思を継いだ新天皇陛下と皇后さま。

象徴天皇の「お祈り」についての報道はその是非を問う・議論する内容のものはないまま令和時代が始まり3カ月が過ぎました。「お祈り」の8月を迎えます。

皇室典範改正で国民を巻き込む議論ができるか?

お代替わりを「バラエティー番組」にしたテレビ。視聴率至上主義のテレビがお笑い芸人を使い改元をお祭り騒ぎにしてしまうのは仕方がないとも言えます。

そして、まもなく始まる皇室典範改正議論。「女性天皇の是非」だけがクローズアップされていますが、世界的に見ても他にほとんど例がない「天皇制・元号」の伝統と「象徴天皇の役割」について、国民的な議論が盛り上がるきっかけになることはあるのでしょうか。

天皇制自体を反対する人たちのデモ行進はネットニュースでしか見ることはありません。天皇のお祈りで救われた人たちの声をテレビで見ることはあっても、「数え切れない豪華な衣装を持つ着飾った皇后さまが被災地や障がい児のいる施設で励ます姿だけをもちあげている」というネットにある「国民の声の一部」がテレビで報道されることはありません。

皇室典範の議論がどうなるのか、注目していきたいと思います。

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