- 差別チャントとは何か
- 過去の大会でも繰り返されてきた
- FIFAの「3段階」の対策
- 罰則も科されている
- なぜ根絶が難しいのか
- 私たち観戦者にできること
- 日本のサッカー文化との違い
- 子どもと一緒に観戦するときに伝えたいこと
差別チャントとは何か
差別チャントとは、スタジアムで観客が一斉に発する掛け声のうち、特定の人や集団を傷つける差別的な内容のものを指します。報道によると、ワールドカップでは、相手チームのゴールキーパーがボールをけり出す場面などで、同性愛者を侮辱する言葉が一斉に発せられる問題が、長年指摘されてきました。応援の熱気の中で起こるため、本人たちは「ただの掛け声」と思っていることもありますが、言われた側や、それを聞いた人を深く傷つける行為です。スポーツの場であっても、差別は決して許されません。

過去の大会でも繰り返されてきた
この問題は、今大会で急に出てきたものではありません。報道によると、特定の国のファンによる差別的なチャントは、2014年以降、繰り返し問題になってきたと伝えられています。2018年大会、2022年大会でも再発し、放送局が、スタジアムのマイクが拾った掛け声を放送中に処理せざるを得ない場面もあったと報じられています。長年にわたって指摘され、罰則も科されてきたにもかかわらず、なかなか根絶できていないのが実情です。文化や習慣として根づいてしまったものを変えるのは、簡単ではないことがうかがえます。
FIFAの「3段階」の対策
FIFAは、差別行為に対して「3段階の手順」と呼ばれる対応をとっていると報じられています。報道によると、その流れはこうです。第1段階は、選手や審判が前腕を交差させて「X」の形を作り、差別行為が起きていることを合図します。第2段階は、審判が試合を一時停止し、状況を確認します。そして、それでも差別的な行為が続く場合の第3段階では、審判が試合を中断し、両チームをいったんロッカールームに戻すこともあるとされています。試合そのものを止めてでも差別を許さない、という強い姿勢を示す仕組みです。
罰則も科されている
差別チャントには、罰則も科されています。報道によると、ある国の代表チームには、ファンの差別的な行為を理由に罰金が科されたと伝えられています。さらに、差別行為が続いた場合には、より高額な罰金が科される可能性もあると報じられています。チームにとって、ファンの行為が原因で罰金を受けるのは大きな痛手であり、各国の協会も、ファンへの呼びかけに力を入れています。罰則は、問題の深刻さを示すと同時に、「差別は重大な違反である」というメッセージでもあります。
なぜ根絶が難しいのか
これだけ対策がとられても、差別チャントがなくならないのはなぜでしょうか。報道などから考えられるのは、長年続いてきた応援の「習慣」になってしまっていることです。大勢の中の一人として声を出すと、罪の意識が薄れやすいという心理も働きます。また、何万人もの観客の中から、誰が発したかを特定して処分するのは簡単ではありません。だからこそ、罰則だけでなく、一人ひとりの意識を変えていく地道な取り組みが欠かせません。「自分は大丈夫」ではなく、「自分も加担しない」という意識が、観客一人ひとりに求められています。
私たち観戦者にできること
差別チャントの問題は、遠い国の話ではありません。スポーツを愛する一人として、私たちにもできることがあります。まず、差別的な掛け声には加わらないこと。そして、そうした行為を「面白い」「盛り上がる」と肯定しないことです。応援は、相手をおとしめるためのものではなく、自分の好きなチームを後押しするためのものです。熱く応援することと、誰かを傷つけることは、まったく別のことです。スタジアムにいても、テレビの前にいても、フェアな心で観戦する。それが、サッカーという素晴らしいスポーツを守ることにつながります。
よくある質問(Q&A)
日本のサッカー文化との違い
日本のスタジアムは、世界的に見てもマナーの良さで知られています。相手チームへの拍手や、試合後のごみ拾いは、海外メディアでもたびたび好意的に紹介されてきました。もちろん、日本にもヤジや過熱した応援がないわけではありませんが、組織的な差別チャントが大きな問題になることは多くありません。これは、誇ってよい応援文化だと思います。海外で差別チャントが問題になるニュースを見ると、あらためて、相手を尊重する応援の価値を感じます。日本の応援スタイルが、世界に良い影響を広げていけたらと願っています。
子どもと一緒に観戦するときに伝えたいこと
ワールドカップは、子どもと一緒に観戦する家庭も多いはずです。だからこそ、差別の問題は、子どもに何を伝えるかという点でも大切です。画面の向こうで差別的な行為が起きたとき、「ああいうのは格好悪いことなんだよ」と一言伝えるだけで、子どもの受け止め方は変わります。応援は人を元気にするものであって、誰かを傷つけるものではない。スポーツ観戦は、そうした当たり前のことを、子どもに自然に教えられる機会でもあります。熱狂の中でも、フェアな心を忘れない。その姿勢を、次の世代にも伝えていきたいですね。


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